この春から、日総研様の月刊誌にて連載を受け持つことになりました。
時間的な制約や私自身の器の問題や、
あれこれと悩みながら書き進め、
ようやく第1回の原稿の着地点が見えてきました。
書く、という行為は自分自身を振り返る絶好の手段ですね。
今、読んでいる書籍は
鍼灸指圧マッサージ師向けの本ですが、
凝りのとらえ方やからだの見方、
皮膚や筋肉、腱や神経系との関係など
アロマセラピストにもとても参考になります。
「治療家の手」について考えていると
ふと、どうしてアロマセラピストになろうと考えたのか、
遠い記憶がよみがえってきました。
わたしは病弱な子供でした。
小児ぜんそくでしょっちゅう病気になり、
ぜーぜーと咳をして眠れぬ夜を過ごしました。
そんな時、父や母が背中に触れてくれた手の暖かさが
呼吸を鎮め、眠れるお薬になりました。
わたしもそんな手になりたい。
こんな単純な思いが、小さな芽になりこころに根付いていたのでしょうか。
今、「手」を使って、人のからだに触れ、心に触れる
アロマセラピストという仕事に就いているのも、
大きな遠回りをしてきましたが、
すべてつながっていたのだと、感じます。
すべての人は癒しの手をもっていると思います。
お母さんが子供に手を当て、痛みを和らげる。
病床の母のために、ただじっと手を握る。
落ち込んだ友の肩にそっと置く手。
不安におびえ、恐怖と戦う患者さんのそばに
寄り添い、触れる看護師の手。
大丈夫だよ。
愛しているよ。
心配しないで。
一緒にいるよ。
なにも言わなくても、染み込むような
ぬくもりが伝わる手。
わたしもこの「癒しの手」で、
もっと優しく、
もっと暖かく、
包み込むように触れていたい。
きっといつかあなたにも・・
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