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祈りなき行動は

岡崎まりさんの空海と最澄を描いた傑作『阿吽』の最終章を読み、東寺へ。


今空。


季節が変わる。


大日如来さまと目が合うといつも涙がポロポロ流れる。

マスクでよかったなあ、と思う。


空海は言う。

「祈りなき行動は妄動であり、

行動なき祈りは妄想である」と。


隣に杖をついた高齢の女性が、腰を降ろされ

「なんやろうね、

ここの仏さま見てたら、なんや、

ありがたくなって、泣いてしまうんよ」


と誰に言うでもなく、つぶやかれ、一緒に、手を合わせる。


奈良に向かう空には半円の虹。







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