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執筆者の写真はやしひろこ

病気の子どもたちへの家族からのタッチケア

タッチケアレッスンのお問い合わせが多いなあと思っていたら、3連休でした。

今日は、NICUに入院中のお子様へタブレットやスマートフォンを使ったオンラインでのレッスンが3組。たくさんのお写真を撮らせていただくのですが、個人情報の関係からネット上では掲載しなくなりました。

レッスンの様子をご家族の許可をいただきましたので、今日は久しぶりにシェアさせていただきます。


スペシャルニーズを持った子どもたちへのタッチケアを始めてから15年になりました。

マッサージセラピストとして、成人の方、乳幼児や思春期の方、痛みや疾患をお持ちの方への触れるケアは、身体から心へ働きかける療法として根付いてきたと思います。


ケアルームでの活動だけでなく、入院中のお子様へ家族からタッチケア(触れるケア)を行いたいという希望も増えてきました。


少しでも心安らぐ時間を過ごしてほしい、

痛みや寂しさや辛さを和らげ、親子での暖かなふれあいを通した関係性を育てていきたい、

単調な生活の中での喜びや楽しさ、特に小さなお子様にとっての「遊び」の視点から一緒に歌を歌ったり、お話をしたり、親子での会話が増えることで、かけがえのない大切な家族の時間を過ごされています。


ラヴィングタッチケアプロジェクトとして、ケアルームだけでなく、医療センターの小児病棟、NICUにおいても、医療スタッフ、保育スタッフと一緒に、ご家族からお子様へのタッチケア活動を2014年より定期的に行なっています。


手術や化学療法、放射線治療を受けている子どもたち、小さく生まれて保育器に入っている赤ちゃん、先天的な疾患、感染症や怪我など、さまざまな背景を持つ子どもたちへの安全なタッチケアをご家族にお伝えしています。


タッチケアの後、お子様に「どんなタッチがしてみたい?」と尋ねると、「ママに・・・」と恥ずかしそうに呟くお子様がとても多いです。

「じゃあ、ママにタッチしてみようか?」

とふわぴたタッチをお母様の背中に。

一生懸命に腕を伸ばして、小さな手をママの背中にふわ〜ぴた〜とタッチすると、お母様のお顔が温かみを帯びて、「あったかいなあ、嬉しいなあ。病院でこんなふうに、タッチケアができるのですね」と呟かれます。

「ありがとう。気持ちいいいよ」との言葉に、お子様が嬉しそうな、誇らしそうな表情をされるのです。



小さな赤ちゃんを抱っこしたお母様は、面会時間の全てを使って、タッチケアレッスンを楽しみにしてくださっています。

初回のレッスンでは、「本当に小さくて、触れると壊れそうで、どうやって育てたらいいのだろう、と不安で仕方なかった」と涙を流しておられたお母様が

「今日は、私をみて、ふわーとあくびをしてくれて。手や足の動きも出てきて、触れるたびに可愛いと感じます」

チューブでのミルクから、哺乳瓶でのミルクになり、今日は唾液の分泌を促し、哺乳のための筋肉の働きをサポートするお顔のタッチケア。

触覚プラス聴覚、プラス視覚、プラス前庭覚、固有覚。

赤ちゃんが成長発達の段階での必須栄養素、感覚の刺激を、赤ちゃんの状態に合わせて、程よく消化できるように「感覚のブレンド」をタッチケアで行います。



病棟でのタッチケア活動ではご家族に声をかけてくださったり、タブレットを支えてくださったり、一緒に歌を歌ってくださる理解あるスタッフのおかげで、15分や30分という短い時間の中で豊かな経験を味わっていただけます。


オンラインでのタッチケアは、日本各地、世界各地からも可能です。

小さく生まれた赤ちゃんの場合、月に2回から月に1回、と成長に合わせてレッスンの内容や頻度も変わり、中には1年以上お子様の成長と発達をサポートし、お母様ご家族に伴走することもあります。


今日のタッチケアレッスンが、お子様の心と身体へ暖かな、大切にされた記憶として、成長を支え生きる力になることを願います。







1 Comment


quito2317
Oct 10, 2022

ママにタッチする小さな手、その光景を思い浮かべるだけで、心が温かくなりました。

ラビングタッチケアに対する想いがより大きく深まりました。

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