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少年の夢は

この何年か、里親として文通を続けてきた

タイの少年から最後の手紙が届きました。


国際NGOの里親に登録していて、

毎月ほんのわずかですが、タイの北部の小さな村に

援助をしています。

援助金は村全体のインフラ設備や福祉、教育の向上に

使用されていて、

個人個人に金銭が渡されることはありません。

ただ、その援助している村の子どもと

個人的に交流をすることで

地域全体への理解を深めています。


私のチャイルド(交流している子どもをこう呼びます)は

うちの上の息子よりひとつ年上で、なんと誕生日が同じ、

Kくんでした。

やんちゃなあどけない顔をして、

よく絵を描いて送ってくれました。

とても繊細な緻密な絵を丁寧に描く子で、

わたしたち家族も、折り紙や切り紙や、

一生懸命作成して、オリジナル絵手紙を作りました。


この村への地域開発プロジェクトがすべて完了して

村からの撤退が決まり、

それとともに、チャイルドともお別れになりました。

年に数度の手紙のやり取りでしたが、

遠い異国をとても身近に感じていました。

地域の報告管からのレポートで、

村に水道ができ、橋が架かり、学校の設備が

整えられ、予防接種が行われていることを知りました。

わたしは一日でも早く、手紙が届くようにと

記号のようなタイ語と悪戦苦闘して手紙を書きました。


Kくんからの最後の手紙には

今までの感謝の言葉とともに、

大きくなったらなりたいものがあると

書いてくれていました。


サッカーが大好きで歌うことの好きな

澄んだ目をした少年の夢は


soldier兵士


世界の不均衡はますます格差が開き、

1日、1ドル以下で生活する貧しい地域に

生まれたK君にはわたしの想像を超える

厳しい現実があるのかもしれません。

今の日本で兵士になりたい11歳が何人いるでしょう。


農夫の父の手伝いをしているKくんが

どうか幸せに暮らすことができますように。

こんな安全な場所で祈ることしかできないのが

とても悲しく歯がゆいのです・・・

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