表現としての身体研究会主催の〈テツドク〉へ。
現象学について書かれた書籍を軸にして、
オープンディスカッションを行う会です。
理学療法を大学で教える身体の専門家でありながら
現象学という哲学をご研究されている玉地先生の
実存と現象学と意識のお話はとても興味深く、ずっとワクワクしっぱなし。
身体にとことん向き合うと意識が浮かび、
意識に向き合うと身体にとことん向き合うことになりますね。
今回は榊原哲也氏の『医療ケアを問いなおす』がお題です。
医療ケアの現場で起こりうる様々な事象について、
「そもそも病いを患うとは」
「病いを患う人をケアするとはどういうことなのか」
を「現象学」という哲学の視点から問い直す、現象学の入門書としてもとてもコンパクトにまとまった良書です。
サブタイトルが「患者を一人の人間としてトータルに〈みる〉」ですが、
いかにして、自分と異なる相手を全人的に〈みる〉ことができるのか、
施術の中で常にわたし自身が問いかけているテーマでもあります。
「病いilness」と「疾患disease」の違い、
数量的なデータでは表現できない「意味」を帯びた「生きられた経験」、
病いと固有性、
フッサールのいう意識の志向性とは、
発生から意味現象・意味経験の時時刻々と移り変わる意識の志向性を遡るとは、
そもそも意識とは、
メルロ=ポンティの間身体性、
時間と身体について、語り合いました。
フランクルのドイツ語の原書を泣きながら読んでいた大学時代のゼミのようで、
あっという間の2時間でした。
わたし的には今日一番知的興奮で悶絶したのはメルロ=ポンティの「志向弓」^ ^
次回が待ち遠しいです!
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