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ナラティブとエビデンス

今日は定期的に通っているクリニックでの

アロマセラピーの日。

ケアルームとはまったく異なるタイプのお客様が

大勢お見えになります。

3ヶ月先まですべて予約済み。

60代、70代、80代の方が多く、

50回、60回と通われている方も何人もおられます。


ケアルームはクリニックに隣接されており、

医師に薦められてお越しになるかたが多いので、

みなさんさまざまな病気をお持ちです。

脊椎カリエス、腎臓ガン、肝臓ガン、乳がん

うつ、自律神経失調症、心臓病・・

体中にオペの傷跡が残っておられる方も

珍しくありません。


町中のおしゃれなサロンには決して

足を運ばれないと思われる高齢の皆さんが

このアロマセラピーの時間をどれほど楽しみに

心待ちにされているか。

リハビリ室にベッドを置いただけの

簡素なトリートメントルームです。

アロマセラピートリートメントは

お部屋の豪華さではないのでなあ、と

いつも考えさせられます。

なによりも「ひと」と「ひと」のかかわりなのですね。


嬉々としてマッサージテーブルに

身を横たえるお客様のおからだから

なりふり構わず一生懸命働いて子育てをして、

さあ、これからは

自分のからだとこころのケアにお金と時間を

かけるのよ!という気持ちが伝わってきます。


まだまだアロマセラピーを知らず、

アロマセラピートリートメントを求めている

お客様がこの日本だけでもどれだけ

いらっしゃるのでしょうか。

いつかきっとお会いできる日を楽しみにしています(*^_^*)



さてさて「ナラティブベイスドメディスン」


という言葉を聴いたことがあるでしょうか。


「エビデンスベイスドメディスン」

これはEBMと呼ばれるもので

医療従事者のかたにはなじみが深いと思います。

英語の Evidence-Based Medicine が元になっていて

わかりやすく言うと、


治るという証拠がある薬(医療)を行う

という意味です。


これまでは、個々の医師らが

「経験に基づく医療(Experience-based Medicine」を、

それぞれの医師の裁量で行っていましたが

このようなあいまいな方法を改め、

科学的根拠のない経験や慣習や

権威者の意見に基づく治療法や予防法を排除し、

世界各地の研究者が行っている科学的研究結果

にもとづいた確かな科学的根拠(証拠)がある

治療法、治療薬、予防法

を患者に対して処方していくという事を意味しています。


アロマセラピーの症例報告などを

学会などで行うとき、またアロマセラピーの効果について

医療従事者の方にご説明するときこのEBMが

重要視されるのです。


西洋医学のお薬のすべてがこのエビデンスに

基づいているのかどうか、

という素朴な疑問はここではひとまずおいておきますね。


では「ナラティブベイスドメディスン」について。

もうなんとなく予想がつきますね。


一言でいうと

「ナラティブに基づいた医療」ということになります。


では「ナラティブ」とは?


「ナラティブ」とはあまり聞き慣れない言葉ですね。

シンプルに一言で表現すると「物語」

ということになるでしょうか。


故中川米造先生の息子さんの

中川晶先生(大阪産業大学・なかがわ中ノ島クリニック院長)の

「ナラティブ論」の講義を2年前に受講しました。

先生の著書を読み上げる時間があったのですが、

もう涙涙・・。

物語の持つ力に驚いたと同時に、

クライアントひとりひとりの生きる力を引き出す

「ナラティブ」という手法に惹かれました。


ナラティブアプローチについての書物は

いくつか出ていますが、

大阪大学の中原氏のナラティブアプローチへの研究では

ナラティブとは

『「世界がどこまでも客観的に存在すると考えること」へのアンチテーゼ』

という一文があります。

「世界がどこまでも客観的に存在すると考えること」は

現代西洋医学の立ち位置です。

そのため、「個」はあまり重視されず、

「客観的なデータ」に基づいた投薬や治療が大前提になっているのですね。

ふむふむ。



また同じ中原氏の研究論文のなかで

ナラティブについてとても分かりやすく

説明されている箇所がありますので、

引用させていただきます。


『ここから引用・・・


世界は、それを語る人間によって、

構築されるものである、そう考えるのです。

つまり、言い換えるのなら、

世界は「語られること」によって存在する

といってもよいでしょう。

「語られる世界」は、もはや超越論的な「世界」ではなく、

複数あるうちの「ひとつの物語(story)」と言ってもいいですね。


ということは、

「客観的かつ絶対的な事実」というものは、

そもそも存在していないのです。

語る人のかずだけ、語られる事実が存在します』


なぜエビデンスとナラティブにこだわっているかというと、


今年は研究活動をしたい!と希望しているからです。

2004年、クリニカルアロマセラピストの

認定カリキュラムの中で共同研究を行いました。


ホリスティックアロマセラピーの可能性についての研究でした。

いつか時間をとって研究内容についても投稿しますね。


わたしが現在、ケアルームやクリニックで行っている

ホリスティックアロマセラピーについて

またはアロマセラピーについて

EBMが必要なのですね。

これは医療従事者への説明に必須ですし、

わたしも日常のコンサルテーションのなかで

アロマセラピーや精油にかんする客観的な研究データを

たくさん用いていますし、先輩方の行ってきた

実験や研究や考察の上に、成り立っているのです。


でも精油についてのたとえば、

Aという精油の香をかいだときの

コルチゾルの分泌量の変化や体温、心拍数の変化、

などはEBMがこれからもどんどんと出てくると

思いますが、

実際のトリートメントの現場では

「やっぱり精油だけじゃないなあ」と思うことが

しばしばあります。

精油の香りも、薬理成分も大切なことはいうまでもありません。


でも同じ腰痛という辛さを訴えるお客様に選択する精油は、

その方のライフスタイルや話し方、

言葉、バーバルノンバーバル含めたコミュニケーション、

しぐさ、表情、姿勢、肌の様子、服装、

「語られる物語(ストーリー)」、

本人の香りに対する嗜好によって変化するのです。


また次回に!


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