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執筆者の写真はやしひろこ

セラピストの品格

昨日今日と、2日間にわたって

心療内科学会に参加してきました。

毎年、参加させていただいていますが、

今年は気管支喘息やアレルギーに関する演題が多く、

また心身医療とはなにかーという

大きな問題提起がされていて、

日本の医学界の中での心療内科の枠組みや位置づけが

転換期にきているような感じをうけました。



今日のランチョンセミナーは

開始前から長蛇の列で、驚きました。

タイトルは

「心身症患者への対話の上手な進め方

~治療に役立つ対話とはなにか~」


200名ほどの定員の会場はすぐに満員になり、

江花医師の優しく軽妙な語り口と

症例の面白さに引き付けられました。


わたしは医師ではありませんが

解決に向けた対話という視点が、

セラピストとお客様との関係性という点で

とても参考になる症例でした(*^_^*)


またJACTでおなじみの

土井先生の瞑想についての演題、

相原先生のホリスティックアロマセラピーの

実践についての演題、

竹林先生のマインドフルネス瞑想やフィードバック、

アロマセラピーなどを用いた統合医療の

試みに関する報告などもあり、

多くの医療関係者が熱心に聞いておられました。



今回一番、心が動いたのは

九段坂病院の心療内科医、山岡先生の講演での

最後の言葉。


講演のテーマは

「従来の医学の壁を越える心身医療

ー心療内科は世界を変える」

という壮大なものでした。


「現代医学は臓器医学であり、

人間を見ていない」という批判のなか、

心療内科は

「臓器ではなく、臓器を病んだ人間を診る」

全人的医療の実践を行っています。


山岡先生も、

またわたしが尊敬する心療内科医の中井教授も

「セラピューティックセルフ(治療的自我)」

を重視しています。


この治療的自我の成長ということは

医師だけでなく、

わたしたちアロマセラピストにとっても

いつも心がけている必要がある

とても重要な概念です。


治療的自我の発見は1978年

モンタナ大学心理学教授の

J・G・Watkinsが

医師自身の人柄が患者の病を癒すことに

影響するエピソードについて

考察したことにはじまります。

医学的知識や経験、技術のほかに

もっと本質的ななにかがあるのではないか、

そこから治療的自我についてさまざまな

研究が行われてきました。



アロマセラピーでも同じです。

学んだ学校や資格や、精油や知識、

経験、どれも大切なのですが、

アロマセラピストの人柄や態度や

表情や声が、クライアントとの関係性をつくり、

治癒のスイッチを押すお手伝いをする

大きな大きな要因になっているのですね。

ここではごまかしがきかないし、

わたし自身が試されているといっても

いいかもしれません。



女性の品格や

国家の品格、

今年は品格が大流行でした。

山岡先生は「医者の品格」と述べておられましたが、

「アロマセラピストの品格」とはなんでしょうか。

品格あるアロマセラピストについて

考えています。

わたしに品格はあるのかな。



山岡先生はこんな言葉で講演を締めくくられました。


「心療内科で行われる種種のアプローチが

患者の考え方を変え、

患者の家族のあり方を変え、

日本そして世界を変え、

人類から戦争がなくなり、

みな幸せに暮らせるように・・・」


なんと、わたしが

ケアルーム「つむぎの森」の名前に

込めた想いと同じ願いでした。


アロマセラピーであっても

カウンセリングであっても

治療関係にある医師と患者であっても、

目指しているのは共通しているのかもしれませんね。


病に苦しむ方が、

誰かとの関係性や、

心地よい香りやタッチや

助言や対話の中から、

癒しの力に気づき、

自らの内なるヒーラーである治癒力を引き出し、

からだが変わり、

心が変わり、

考え方や愛の表現方法が変わり、

家族が変わり、世界が変わる・・・。


ひとりひとりのまいた小さな種が

芽を出し、葉を茂らせ、

それぞれの美しい花を咲かせ

世界中が愛に満ちた森になりますように。


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