セミナーの資料つくりで、
大量の本を読み、調べ物をしています。
アロマセラピートリートメントが、なぜこんなに
幸せな気持ちになるのか。
香り、精油の成分の働き、肌によるふれあい・・・
どれも欠かせない必須アイテム。
大好きな香りをかぐと、すぐに脳の扁桃体に情報が送られます。
ここは「好き嫌い」を瞬時に判断する場所。
「好き!」と判断すると、脳に快感を生み出し、
ドーパミンが放出されます。
ドーパミンは感情、とくに愛情に関係すると
いわれている神経伝達物質。
恋愛感情でもそうですし、
親子の愛情にも関係しています。
脳の奥の脳幹というところにある
A-10(エー・テン)と呼ばれる神経細胞から
前頭葉にいたる神経の通りみちを快感神経系といいますが、
ドーパミンはこのA-10にスイッチを入れ
快感を呼び起こす働きをしています。
子供の頃はドーパミンの分泌が盛んなので、
なんにでも感動し、嬉しくなったり大喜びしましたね。
でも年を重ねるごとにドーパミンの分泌は減るので、
だんだん「枯れて」しまい、感動もへっていくのだと
いわれています。
ここまでは、解剖生理でも叩き込まれたので、
スムーズに理解していますが、
今回、「おっ」と思ったのが、オキシトシンです。
オキシトシン。
脳下垂体後葉より分泌され、
末梢組織では主に平滑筋の収縮に関与し、
分娩時の子宮収縮や乳腺の筋繊維を収縮させて
乳汁分泌を促すなどの働きを持つ。
このため臨床では子宮収縮薬や陣痛促進剤として用いられる。
と覚えました。
ところが、オキシトシンの働きはこれだけでは
ないのですね。
親子の愛情にもA-10神経を流れる
ドーパミンが関係しています。
ドーパミンは快感を生むだけではありません。
親子を結びつける働きをするオキシトシンという物質
を視床下部で生み出しています。
このオキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれています。
親子関係だけでなく、男女の恋愛や夫婦間でも
相手との絆をふかめるホルモンです。
子供の頃に親子の触れあいにより
オキシトシンをよく分泌した子供はストレスから脳を守り、
大人になって自分が子育てをする際にも上手に出来るようになるとか。
また子供の学習能力も高めてくれるそうです!
さらに福岡新水巻病院小児科部長 白川嘉継 医学博士は
「オキシトシンは成人した他人同士の信頼関係にも関与している。」
といいます。
つまり幼児期などに適切な触れあいがされなかった場合、
オキシトシンの分泌も悪くなり、
他人との信頼関係や愛情関係をはぐくむことが
難しくなります。
幼児期、無条件に愛される喜びが、
その後の人生の人間関係や愛の原点になるのですから・・
スイスのチューリッヒ大学で行われた実験はとても
興味深いものでした。
オキシトシンを薄めたスプレーを
空中に散布すると、
被験者たちが他人への信頼感が高まって自分の資産を
託すようになったというのです。
そしてこのオキシトシンを出しやすくするのは
何だと思いますか?
そうアロマセラピーなどの優しいマッサージなのですね。
オイルを使い、両手で相手の手を包み込み、
なでるようなマッサージは、安心感とともに
ドーパミンやオキシトシンの分泌を
促すのです。
アロマセラピートリートメントを受けると
幸せでいっぱいになるのは気のせいではありません。
オキシトシンの分泌やドーパミンのおかげかもしれませんし、
セラピストとクライアントとの信頼感や
大好きな香りの心地よさや
香りと結びついた記憶や、ほかにももっとあるかもしれません。
ひとつひとつに、ちゃんと理由があるのです
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