オーストラリアの
アロマティック・メディスンの第一人者である
ロン・グーバ氏の来日セミナーに参加してきました。
ロン氏は小柄な
終始笑顔を絶やさずにジョークをふりまく
とってもチャーミングな方。
アロマティック・メディスンとは
治療グレードの精油を使って、
高濃度での皮膚への塗布に始まり、
日本のアロマセラピーの世界では禁忌とされている
経口摂取、局所適用、膣内投与、
目・耳・鼻・喉への投与などの
さまざまな適用をすすめています。
もとはフランスの医師、ダニエル・ペノエル氏が
構築されたものだそうです。
日本ではセルフケアとしての適用になりますが
精油の内服、しましたよ~。
ペパーミント、けっこうおいしかったです。
目への精油の点眼、
直接塗布。
う~ん、今までスクールで学んだ知識と
全く異なるものですので、
今日はまだ混乱をしています。
精油の分子量と吸収量の関係、
市場に出回っている精油のほとんどが
合成やフェイクやブレンドされていること。
(これは良く知られた事実ですが)
実際に、フェイクのラベンダーと
トゥルーラベンダーと、ラバンジンのテストがありました。
正解率は約3割。
またベルガモットのフェイクとトゥルー、
ローズのアブソリュートと、オットー、
フェイクの違い。
またまだ一般的ではありませんが、
より多くの精油成分を抽出することができる
二酸化炭素抽出法でのフランキンセンスやジンジャー。
わたしは個人的には水蒸気蒸留のフランキンセンスのほうが
香りが好きなのですが、
また違ったふくよかな香りです。
100ページ弱もある、充実したテキストが
あるのに、わたしの取ったメモも
A4のルーズリーフ数十ページ。
フランスでは医師が精油を処方する
メディカルアロマセラピーが主流とはいっても
実際にアロマセラピーや精油を熟知した医師は
少ないようです。
その中でもフランス人の医師ダニエル・ペノエル氏は
精油の可能性を臨床でも研究実践しています。
そのペノエル氏の研究をベースに、
精油の物質的側面を最大限に生かし、
用量に依存した適用法をオーストラリアで実践しているのが
ロン氏のアロマティック・メディスン。
治療グレードの精油の抽出法。
市場に出回っている精油のかなりの割合が
フェイクか合成品か粗悪品とのブレンドという話。
これはアロマセラピストにはよく知られた話ですが、
ガスクロマトグラフィのデータを見ながらの説明は
説得力がありました。
真正ラベンダー、ラバンジン、合成のラベンダーを
ムエットでかぎ分けるデモンストレーション。
これは正解率がたったの3割。
ラベンダーは以前にも書きましたが、
全世界で取れるラベンダーの何十倍の量の精油が
流通しています。
ということは、本当のラベンダー精油ではないものが
ほとんどだということになります。
最大手のあのブランドのラベンダーも
あやしい香りですね~
ほかにも、偽ものが多いベルガモットのフェイクと本物。
ローズの水蒸気蒸留法と、アブソリュート、
二酸化炭素抽出法(CO2)の嗅ぎ分け、
フランキンセンスやジンジャー精油の
水蒸気蒸留法とCO2のテスティングもありました。
一般的に精油は水蒸気蒸留法で抽出されたものが
多いです。
蒸留釜に植物を入れ、水とともに熱を加えると
熱と蒸気が植物の芳香成分が蓄えられている細胞壁を壊し、
エッセンスを蒸気の形で放出させます。
この蒸気を集めて冷却すると、植物のエッセンスである精油は上層に集まり、
水溶性の成分を含んだ蒸気はハイドロゾル、芳香蒸留水となるのです。
水蒸気蒸留法といってもいろんな方法があります。
たとえば、クローンの栽培植物を雑草も一緒に刈り取り、
どさっと釜に入れて、20分ほど蒸留をして抽出した精油と
手積みで、野生の花を摘み取り、
1時間かけてじっくりと蒸留した精油や芳香蒸留水とを
比べてみると違いがよくわかりますよね。
同じ精油であっても、かける時間によって
抽出される成分がまったくことなります。
時間が短いと比較的軽めの分子が出てくるのですが、
じっくりと時間をかけると重たい分子も抽出されます。
ロン氏によると、治療グレードで使用するには
時間をかけて、余すことなく成分を抽出した
コンプリートを用いることが大切だと
強調しておられました。
CO2での抽出はより完全な形で成分を抽出できるのですが、
日本ではまだまだ一般的ではなく、手に入りにくいのです。
今回は内服や点眼、点耳、膣用調剤などを
実際に手に取り試しました。
これらは精油を乳化させて用います。
内服ではアップルジュースに混ぜたペパーミント精油を
コップに1杯内服しました。
思ったより苦味はなく、食道のあたりがすっとしたのですが、
講演会が終わり帰宅するころから、
我慢できないほどの頭痛に襲われ・・・
普段、頭痛などめったにないので早々に床に就きました。
それが内服のせいなのかどうかは、今のところわかりません。
また直接塗布である、アロマティック・パフュージョン。
これは乳化をさせずに、直接いくつかの精油をブレンドし
からだの各部分に塗布して、ドライヤーなどの熱を与えて
さらに体内に吸収させる臨床技法です。
首につけたのですが、顔もこすってしまい、
そこは今でも吹き出物がたくさんできてしまいました。
ほかにもひりひりする、とかかゆみを感じた、という方も
おられたので、わたしだけではなかったようです。
とくに敏感肌ではないわたしでも
反応を起こしているのですが、ロン氏によると
今までに子供も含めて病的な影響が現れたことがないそうです。
個体差や体質によって反応が異なると思うのですが。
でも日本では、アロマセラピストが内服を処方することは
できません。
ですから今回の講演会もあくまで、セルフケアや
アロマの可能性の紹介という側面が強いものでした。
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