自分自身で波動の合う本を選ぶ楽しさを
知って欲しいと
子どもが誕生してからずっと、毎月本を与えてきました。
ゼロ歳のときには、毎月配本される
「こどものとも」という素晴らしい絵本があり、
そのときどきの成長にあった内容の
絵本を親子で楽しみました。
歩けるようになると、夜寝る前に
「こどものとも」からお気に入りの絵本を持ってきて、
「ん!」と差し出す小さな手をとても愛おしく思い出します。
大きくなり、字が読めるようになると、
どんな本でも好きな本を買っていいよ!
と一緒に書店に行くようになりました。
成長にあわせて、子どもが選ぶ本は変化をしていきます。
できるだけ、親の希望や好みではなく、
本人の思いを大事にするようにしています。
お兄ちゃんは電車やミニカーや
ポケモンやベイブレード、
恐竜や昆虫、
理科の実験や発明の本、
いろんな変遷を経て、
今はハリー・ポッターや
宮沢賢治、ずっこけシリーズや
青い鳥文庫を選ぶようになりました。
下の娘は、動物や歌の本が大好き。
しずくちゃんやラブベリを選ぶときもありましたが、
今では、わたしがちょっと選びそうにない
でも、とても素敵な本を選んでくるようになりました。
「本も波動だからね。
本を選ぶセンスがすごくいいね!」と
いつも私がほめるので、
娘は本選びには自信があるようです。
先日も、買い物が終わったわたしが
書店に子どもたちを迎えにいくと、
「すご~くいい本、見つけてん!」と
手をひっぱって連れて行って見せてくれたのが
『くまとやまねこ』
生と死、大事な何かを失うことの痛みと悲しみ、
そんな世界を丁寧に描いてきた湯本香樹実さんが
長い時間をかけてつむいだお話に、
『よるくま』の作品で知られる
酒井駒子さんが、モノクロームの鉛筆の繊細なタッチで
素晴らしい絵を書き上げました。
読み始めると、
力強い絵と、大切なことりを亡くして
家に閉じこもってしまったくまくんの悲しさに
ひきつけられていきます。
喪失感と悲しみから
やまねこくんに出会い、
ことりと過ごしたかけがえのない時間や
心の交流やつながりを思い出し、
もう一度、生き始めるくまくんの物語に
涙がとまらなくなってしまいました。
そんなわたしを娘は下からじっとみつめ、
「おかあさん、ケアルームにくる
お客様に教えてあげたら?」というのです。
「おかあさんは自分のために、この本を買うね」
大切な人を、大切なものを失い、
辛い苦しみを味わい、
喪失感や孤独や悲しみに沈む方に
わたしたちはどんな言葉をかけたらいいのか、
いつも悩みます。
でも、言葉はいらないのだとわたしは信じています。
いつもそばにいるよ
心配しているよ
愛と光に包まれているよ
包み込むように、
抱きしめるように、
そんな思いとともに寄り添いたいのです。
人として、
母として、
アロマセラピストとして
やまねこくんからたくさんのことを学びました。
ケアルームに、いつも置いています。
どうぞ手にとって読んでくださいね。
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