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執筆者の写真はやしひろこ

あかあかや

花祭り、そしてケアルームつむぎの森が19年目に入る節目の日。

セラピストとしては20年を越えました。ご縁をいただいたみなさま、本当にありがとうございます✨


今年は弘法大師空海誕生1250年。

各地で法要が営まれまるので、ゆかりのお寺を訪ねたいとスケジュール帳とにらめっこしています。


今日は憧れの神護寺へ。

朝イチの電車とバスに乗り、周山街道を北上すると愛宕山の麓、高雄エリア。

山が深い!


桜はちょうど満開を過ぎた頃、散り始めの桜吹雪、ミツバツツジのピンク色、石楠花も満開です。

西明寺、神護寺から高山寺へ向かう周山街道の、薄桃色の濃淡に染まる高雄の山の美しさに圧倒されました。


京都の北、栂尾、槇尾、高雄の三尾は、おかざき真里さんが描いた物語『阿吽』でも空海、また最澄にとっても、重要な場として描かれています。

平安時代、和気清麻呂が開いたとされる高雄山寺、かつては最澄と空海がともに入山していた時期もあるそうです。


唐から帰国した空海は、勅命を破ったため京都に戻れず、大阪の観心寺や各地を転々とし、最澄の計らいでこの地に居を構え、14年ほど高雄に住んでいたと伝わります。


清滝川に架かる高雄橋からは400段の階段が続き、勾配もあり、軽いハイキングのよう。観光客はほとんど見かけず、貸切のような状態でした。


金堂への長い石段を登り切ると、広隆寺の弥勒菩薩半跏像に続いて2番目に国宝に指定された平安前期の薬師如来像や国宝の源頼朝像(模写)が安置されています。

若かりし最澄が法華経の講義で一躍その名を轟かせたのもこのお寺。


桜の花びらが舞い落ちる音も聞こえそうな静かな空間のそこかしこに、空海の存在を感じることができました。


足を伸ばして、鳥獣戯画で知られる高山寺へ。

ここは鎌倉時代、明恵が開山しました。

明恵といえば、自分の夢を40年も書き留め河合隼雄さんの著書でもたびたび論じられ、去年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の源頼朝や北条泰時とも深く関係しています。

頼朝に挙兵を耳打ちしたり、泰時に戦のない平らか世について考えさせるきっかけになったのも明恵と言われています。


そして、有名なウサギやカエルをコミカルに擬人化した鳥獣戯画。


日本でも最も古い茶畑、明恵上人が眠る御廟と金堂、そして国宝の石水院。

国宝、重文の仔犬像や明恵上人坐像、鳥獣戯画などはすべて京都博物館で保管されています。


鳥獣戯画のうさぎのぬいぐるみがあんまり可愛いので、我が家の一員になりました。


鳥のさえずりと川のせせらぎ。瑞々しい緑の葉。

風が吹くと桜の花びらがはらはらと舞い散り、呼吸が深まります。


ちなみに私は明恵上人のこの歌が大好き。

「あかあかや

 あかあかあかや

 あかあかや

 あかあかあかや

 あかあかや月」


(↑大意 「お月様、めっちゃ明るくてきれいやん!」)



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