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「セラピー」におもう

セラピーの語源について

曽野綾子さんの『それぞれの山頂物語』のなかで

とても興味深い説明を見つけました。


わたしが行うホリスティックアロマセラピーの

ホリスティック『Holistic』 とは、ギリシャ語の「holos」(全体)が

語源となっています。

 主な意味としては「全体的」「全的」「全体論的」「関連」

「つながり」「バランス」などですが、

臓器や病気に焦点を当てるのではなく、

病に苦しむ人間をまるごととらえるホリスティックの

基本的な考えの根拠が分かります。


全体性を重んじる健康や癒しとは本来、

身体だけでなく目に見えないこころ・精神・スピリットも含めた

人間の全体性と深く関係があります。


ここでご紹介している言葉は医師について語っていますが、

補完療法であるアロマセラピーも

目の前のクライアントの病気や主訴だけではなく、

その背景にある心理的社会的な要因についても

アプローチしていくことが大切だと考えています。


『患者を癒すということは、手術をしたり薬を与えたりすること

だけではないのだ。

むしろ話相手になり、その人と一定の時間を共有することである。

というか、医師が自分の時間をその患者に捧げることだ。

人間を死から救うという意味を表すギリシア語を

二つ教えてもらったことがある。

ひとつは「ソーゾー」という言葉で、死から救う、生かす、保つ、

見守る、心に留める、記憶する、というような意味がある。

もうひとつの言葉は「セラペウォー」で、

これはセラピィの元になる言葉である。

この言葉には、治癒する、癒す、仕えるというような意味がある。

だから病気を治すということは徹底して人間的な行為なのだ。

まず相手をしっかりと心に留める。

その人の苦痛や症状を見守り、記憶する。

病人はもしかするとわがままを言う。

しかし癒す人はその患者にいばって命じたり、

上からたしなめたりするのではなく、むしろ仕えるのだ、

という解釈である。

人間が人間を大切に扱うとき、

病人は治るとギリシャ人は考えたのである。』

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